2009年9月13日日曜日

停電

年に1回の全学停電で仕事にならないため、中島公園にある北海道立文学館に行って、三浦綾子さんの特別展を見てきました。時間を持て余していた学生時代でさえも三浦綾子の本はろくに読んだことがなかったのですが、北海道に来て、どうもそれがプライムとして働いたのか、ここ5年ぐらいの間に結構読むようになりました。ミシガン大学の図書館における蔵書は、やたらに日本の文学作品が充実していたりするのですが、ポスドクという自由な身分を最大限活かし、そこで好き放題読んでいたというのも理由の1つです。塩狩峠、泥流地帯、銃口・・・このあたりは、泣きながら読んでいました。私は、遠藤周作の作品も結構好きなのですが、遠藤周作と三浦綾子の作品は、描かれている人物の「強さ」において対極的だと思います。個人的には、遠藤周作の作品における迷いまくる「優しい」人物像、それとは対極の、三浦綾子の作品におけるある意味「強い」主人公、どちらにも心を揺さぶられます。ただ、これは私のバイアスかもしれませんが、三浦さんの作品における強さのバックボーンは、やはり北海道にあるような気がするんですよね。手前みそになりますが、北海道の特異性の一部というのは、このあたりにあると思います。

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