2010年10月2日土曜日

再び大学院オープンキャンパス

12月1日(水)の午後に神戸大学大学院人文学研究科のオープンキャンパス(第II期)が開催されます。詳細は、こちらをご覧ください。個人的には、一緒に文化心理学徒として研究してくれる大学院生を募集しています。

2010年9月22日水曜日

学会シーズン

今年の9月は、例年にも増していろいろな学会が重なっているような感じがしました。学会に参加することには、いろいろな人に会い、いろいろな話を聞くことのメリットはあるものの、体力的そして精神的に摩耗するというデメリットもあります。そういったメリット、デメリットを考慮しながらうまく選択していかないと捌ききれません。もっとも研究者としてどのステージにいるかによって、そんなことも言ってられないのかもしれませんが。

私自身は、実験社会科学カンファレンス(一橋大学)で研究発表をした次の週に、日本社会心理学会でのシンポでトークをし、連続で日本認知科学会の大会を運営委員としてサポートし、そこでワークショップも企画するというスケジュールでした。その中でも社心でのシンポの発表が重責だったのですが、トークの時間が短いのに余計なことを話してしまい(私の悪い癖です)、肝心なことを十分に言えませんでした。具体的には、その前に書きこんだCultural Neuroscienceに関する内容の最後の段落に相当すること、つまりマクロとしての文化を決して軽視しているわけではないという点を明確に言葉として表現することができませんでした。誘因メカニズムを曖昧・不在にしているが、今後もそれを見ていかないわけではないというところは、もちろんマクロとしての文化を意識していたのですが、そういった意識を明確に表現できなかったのは失敗でした。

2010年8月17日火曜日

Cultural Neuroscienceの特集@SCAN

Social Cognitive and Affective Neuroscience誌で、Cultural Neuroscienceの特集が組まれ、私が携わった研究も掲載されています。私の所属先からこの最新号の目次とアブストラクトしか見ることができないので、内容については何とも言えないのですが、思ったよりもかなり多くの論文が掲載されていて驚きました。もっともすべてが実証研究というわけではなく、レビューもそれなりの割合含まれているようなので、関心は高いけどまだまだといった感じでしょうか。

ここ2年ぐらい、残念ながらこの領域に対する私の考えにあまり進展がないのですが、この手の研究を進めることの良い点と不満を思いつく限り書いてみます。

良い点は、認知の文化差という物言いをする際、文化という要因が情報処理のプロセスのどの段階で影響を与えるのか、また情報処理のメカニズムを考える際、文化差がどのように表現されるのかという問いに対して、これまでの反応時間をもとにした研究では限界がありました。しかしfMRIやERPなどのアプローチを用いることで、それらの問いに対して示唆を若干与えることができるようになったと思います。ある情報を処理する際に異なる文化の人々は異なる脳部位を使っているという仮説はナイーブすぎるというのがその1つの例です。またERPもうまく使えば、P300等の指標に注目することで、処理のかなり早い段階から文化差が見られることもわかってきています。

不満として、これは正直なところ何を知りたいのかに依存すると思うのですが、マクロ現象としての文化を説明する際、例えば人の神経基盤の文化差がわかったところで、それはどう貢献するのかというのがよくわからないというのがあると思います。つまり何を説明したいかによっては、行動を見れば十分で、神経基盤における知見が積まれてもそれは冗長だという反応はあるかもしれません。「マクロ現象としての文化を想定すると、文化Aではある状況のもとでは人は行動Aをとりますが、文化Bではその状況のもとでは人は行動Bをとります。また別の状況では、行動A'と行動B'という対比が出てきます。そういった行動の差異と対応する形で、神経基盤も異なります」というのが今のところ可能なアプローチで、おそらく今後も続くと思いますが、個人の情報処理の仕方に関心を置かない限り、単に昔の知見の焼き直しに過ぎないという反応があって当然でしょう。

私はもともと個人の情報処理の仕方に関心がある人間で、それ故にこの領域にコミットメントすることは本望なわけですが、もちろんだからといってマクロ現象としての文化を軽視しているわけではありません。当該の文化におけるさまざまな相互作用を司るルールが私たちの物の見方を作り、その相互作用が埋め込まれた状況や物事に付された意味を私たちは能動的に理解しようとしています。そしてある一定の物の見方によって生まれる行動パターンがそのルールの維持・変容につながります。ただ現状では、そういった理論的な背景を前提としているという枕詞に終始しがちです。これは社会心理学者がこの分野に切り込んでいく上で、克服しないといけない点かもしれません。克服できないような気もするのですが、ただこれを前面に出していかないと社会心理学の立場から発信していく意義はなくなるように思います。

2010年8月16日月曜日

日本認知科学会第27回大会@神大

学会員ということもあり、標記の件、お手伝いを少ししています。いろいろな学会と重なっていますが、どうぞよろしかったらお立ち寄り下さい。
日本認知科学会第27回大会@神大

最終日の夕方(9月19日、午後5時半~)、社会心理系のワークショップを企画しています。

「公平性の基盤:社会・発達心理、比較認知科学によるアプローチ」
企画: 石井敬子(神戸大学),岡田浩之(玉川大学)
話題提供者: 高岸治人(北海道大学),Joanna Schug(北海道大学),岡田浩之(玉川大学),瀧本彩加(京都大学)
指定討論者: 大坪庸介(神戸大学)

2010年8月11日水曜日

LEBS創刊

日本人間行動進化学会の学会誌(Letters on Evolutionary Behavioral Science (LEBS) )が創刊されました。
http://lebs.hbesj.org/

若干、分野がずれることもあり、学会には数回しか顔を出したことがないのですが、編集委員の1人として名前が入っていたりします。

2010年7月30日金曜日

近況

神戸には昨年の12月という中途半端な時期に赴任したため、今学期が神戸に来て初めてのフルの学期でした。自転車操業になってしまいましたが、ともかく無事に終わって、ほっとしています。

7月7日~11日、メルボルンで開催されたInternational Association of Cross-Cultural Psychologyに参加し、ウィスコンシン大学の宮本さんとやっている研究を口頭発表してきました。練習不足のプレゼンだったので、思い出すと穴があったら入りたい気分になります・・・。それにしても往復で機中泊をすると、オーストラリアの場合、それは東京ー大阪の夜行バスに相当するわけで、特に今回のように授業の合間を縫って行くと、猛烈なダメージを受けることを学習しました。
Ishii, K., & Miyamoto Y. (2010). Cultural differences in preference for coloring. Presentation at the 20th International Congress of Cross-Cultural Psychology, Melbourne, Australia.

あと、論文が1本アクセプトされました。ものすごく長い時間がかかりましたが、ともかくミシガンにいた頃必死になって集めたデータが形になり、うれしいです。
Ishii, K., & Kitayama, S. (in press). Outgroup homogeneity effect in perception: An exploration with Ebbinghaus illusion. Asian Journal of Social Psychology.

2010年6月22日火曜日

大学院オープンキャンパス

7月7日(水)に神戸大学大学院人文学研究科のオープンキャンパスが開催されます。詳細は、以下のwebpageをご覧ください(間の悪いことに、私はその日からメルボルンでの学会に行くことになっていて、不在の予定です・・・)。
http://www.lit.kobe-u.ac.jp/opencampus/open_campus.html