「あれから40年」といえば、綾小路きみまろの十八番。もしも40年後に私が生きていて、何かの調子に「大地震に大津波で福島の原発がやられ、放射能が飛び散りました。あれから40年!」とその調子にのせたフレーズを言うことができたら、若くてかわいい母ちゃんが皺皺婆さんになってしまいました的なオチで笑えることのできる世の中であってほしい。とはいってもそんな世の中、全く想像ができないけど。
40年はおろか、10年だって何も想像はできやしない。これから10年先の研究パラダイムの見通しはつかないし、そもそも10年前に、例えば私の分野であれば、Cultural Neuroscienceなんて言葉が出てくることは誰も想像していなかったに違いない。ちょうど10年前に、私は初めて職を得て北海道に行き、その半年後に21COEプログラムが始まったのだけど、それから月日が経ち、その後続のグローバルCOEの総括シンポジウムとやらで、こんなに社会心理が脳科学と接近してしまうなんて、誰が想像していたのだろう。元指導教官、北大の2人の上司といった日本人の社会心理学者の(個人的な)ビック3が、こぞって脳科学に手を染めるなんてことをもしも10年前の私が知っていたら、おそらくその時点で研究の方向性をがらっと変えていたのではないかと思う。
ただ幸か不幸か、楽しくもあり、恐ろしくもあるが、ともかくこの先の10年がどうなっているのかは誰にもわからない。有難いことにその点に関しては、誰もが平等である。研究者として、自分を信じて、やりたいことに向けて邁進するしかない。その過程でどういった人と出会い、どういったチャンスがあるのかわからない。せいぜいできるのは、過去のさまざまな経験を振り返り、そこでの学習をもとにしていくことぐらいかもしれない。この10年間を振り返ったときに、どんなことを私は学んだのか。いろいろな感情に押し流され、学び損ねたこともたくさんあることに気づかされる。とはいえ、出会いもチャンスも平等に巡ってくるというのは建て前で、その巡り合わせが個人の努力だけでは如何ともならないことを経験的に知り、その結果として、目の前の大海に飛び込んで、我流のクロールで実に効率もフォームも悪いながらも何とか泳ぐことができているというのは、10年間の学びの結果だと思う。さて次の10年、我流のクロールでどこまで進むことができるのだろう。もしかしたら効率やフォームが改善されるかもしれないし、もしかしたら力尽きて果てるかもしれない。繰り返しになるがそんなのは誰にもわからない。楽しくもあり、恐ろしくもある。
2012年2月29日水曜日
第5回日本感情心理学会セミナー
第5回日本感情心理学会セミナーでトークをする予定です。詳細な案内は以下の通りです。ぜひご参加下さい。
■テーマ:「日本人と心理療法-感情をとりまく遺伝子・脳・身体・文化-」
■日時:2012年4月7日(土)、13:30~16:30
■会場:同志社大学新町キャンパス臨光館207教室
■講師・タイトル(敬称略):
企画・司会:佐藤健二(徳島大学)
話題提供者:
石井敬子(神戸大学)「感情の認識における遺伝子と文化環境の相互作用」
村上裕樹(ニューヨーク州立大学ストーニー・ブルック校・日本学術振興会)
「感情制御の生理学的メカニズムと遺伝子多型による影響」
大澤智子(兵庫県こころのケアセンター)「「こころのケア」再考-これからのこころのケアについて考える」
指定討論者:大平英樹(名古屋大学) 金築 優(帝京平成大学)
■費用:会員(一般):1000円, 会員(大学院生):無料, 非会員:1000円
■関連情報は日本感情心理学会HPに掲載します。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsre/index.html
■テーマ:「日本人と心理療法-感情をとりまく遺伝子・脳・身体・文化-」
■日時:2012年4月7日(土)、13:30~16:30
■会場:同志社大学新町キャンパス臨光館207教室
■講師・タイトル(敬称略):
企画・司会:佐藤健二(徳島大学)
話題提供者:
石井敬子(神戸大学)「感情の認識における遺伝子と文化環境の相互作用」
村上裕樹(ニューヨーク州立大学ストーニー・ブルック校・日本学術振興会)
「感情制御の生理学的メカニズムと遺伝子多型による影響」
大澤智子(兵庫県こころのケアセンター)「「こころのケア」再考-これからのこころのケアについて考える」
指定討論者:大平英樹(名古屋大学) 金築 優(帝京平成大学)
■費用:会員(一般):1000円, 会員(大学院生):無料, 非会員:1000円
■関連情報は日本感情心理学会HPに掲載します。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsre/index.html
2012年2月27日月曜日
山元町へ行く
採点、院入試、口述試験が終わり、時間に余裕ができたので、先週末の前期試験の試験監督を終えたその足で仙台に向かい、山元町で側溝の泥出しのお手伝いをしてきた。昨年の夏まで立ち入りが制限されていたせいで復興が遅れているのに加え、約1年経ち、一度この土地を離れたものの再び戻り、ここでの生活を望んでいる人たちがそれなりにいるため、ボランティアの手伝いがまだまだ必要とのことだった。
各人が自分のもっているリソースと相談し、余裕のあるときにそれを差し出していくしか、残念ながら道は開けない。非力な自分につい嘆きなくもなるが、たとえ単なる自己満足であろうとも、嘆く前にまず行動しなければ何も始まらない。
ほぼ日刊イトイ新聞「山元町と手をつなぐ。」
各人が自分のもっているリソースと相談し、余裕のあるときにそれを差し出していくしか、残念ながら道は開けない。非力な自分につい嘆きなくもなるが、たとえ単なる自己満足であろうとも、嘆く前にまず行動しなければ何も始まらない。
ほぼ日刊イトイ新聞「山元町と手をつなぐ。」
2012年1月17日火曜日
卒論など
新年もあっという間に半月が過ぎてしまいました。その間に、卒論の〆切があり、私の指導学生4名が無事に提出しました。タイトルは以下の通りです。
・モノのカテゴリー化における言語相対性仮説の検討
・発達と感情理解の仕方の比較文化研究
・change blindness課題遂行中の眼球運動研究~注意の向け方に文化差は存在するのか~
・発達段階における文化的価値についての比較研究
昨年の12月には岐阜聖徳大学で、そして先週は関西学院大学で、最近行っている研究を紹介する機会に恵まれました。関係者の皆様、どうもありがとうございました。有意義なご意見をいただくことができ、本当によかったです。関西学院大学でのトークについては、このページで概要を見ることができるようになっています。
今年も何卒よろしくお願いします。これまで同様、貪欲かつ地道にやっていこうと思います。
・モノのカテゴリー化における言語相対性仮説の検討
・発達と感情理解の仕方の比較文化研究
・change blindness課題遂行中の眼球運動研究~注意の向け方に文化差は存在するのか~
・発達段階における文化的価値についての比較研究
昨年の12月には岐阜聖徳大学で、そして先週は関西学院大学で、最近行っている研究を紹介する機会に恵まれました。関係者の皆様、どうもありがとうございました。有意義なご意見をいただくことができ、本当によかったです。関西学院大学でのトークについては、このページで概要を見ることができるようになっています。
今年も何卒よろしくお願いします。これまで同様、貪欲かつ地道にやっていこうと思います。
2011年12月18日日曜日
今期の心理学特殊講義
学部生向けの「心理学特殊講義」で、今期は文化心理学を教えています。個人的な趣味で、認知・感情のボリュームが多いですが、以下のページからレジュメや学生の一部のコメントに対する私のレスを見ることができます。この内容を通じて、もう少し文化の研究に興味を持ってくれる人が増えてくれればいいなあと思うのですが、いろいろ力不足なので、なかなかうまくいきませんね。
「心理学特殊講義」(月2)
「心理学特殊講義」(月2)
2011年10月13日木曜日
2011年10月11日火曜日
Steve Jobsの死
Steve Jobsが死んだ。大学生になって初めて買ったコンピュータはMacintoshで、それなくしては実験も分析もできない状態が続いたことを懐かしく思い出す。今でこそAppleとの接点はiPhoneぐらいしかないけど、それでもそのiPhoneは実験参加者との待ち合わせで活躍している(もっと活躍の場はあるはずなのに、残念ながら使いこなせていない)。Think differentというフレーズは、文法なんてくそくらえって感じで、昔からとても気に入っている。そんなこんなで、Steve Jobsの死にはそれなりに驚いたし、がっかりもしたが、しかしニュースで見た銀座のアップルストアの映像や街の人へのインタビューにやや興ざめしてしまったのも事実である。そんな中、以下の「Steve Jobsの思い出」というブログを読んだのだけど、この内容は実に興味深い。一気にJobsへの親近感がわいた。彼のスピーチをもじれば、Stay crazyといった感じか。
まつひろのガレージライフ「Steve Jobsの思い出」
追記。大隅先生のこのブログで書かれていることも実にいい。
大隅典子の仙台通信「Stay foolish, stay stupid 」
まつひろのガレージライフ「Steve Jobsの思い出」
追記。大隅先生のこのブログで書かれていることも実にいい。
大隅典子の仙台通信「Stay foolish, stay stupid 」
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