3月3日に、こころの科学集中レクチャーの一部として行われた、シンポジウム「社会行動の文化・制度的基盤」に関して、報告記事がありますので、紹介しておきます。ご参加いただいた方、どうもありがとうございました。
http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/jp/news/2013/04/post_69.html
2013年4月7日日曜日
2013年2月15日金曜日
シンポジウム「社会行動の文化・制度的基盤」
日本社会心理学会や日本グループダイナミックス学会のメーリングリストでお伝えしたように、以下のシンポジウムを開催しますので、奮ってご参加ください。
-----------
皆様、
来る3月3日(日)に、科学研究費特定領域「実験社会科学」文化班、京都大学こころの未来研究センターの共催で、シンポジウム「社会行動の文化・制度的基盤」を開催します。詳細な内容につきましては、以下の通りです。参加申し込みは不要です。皆様のご参加を心からお待ちしています。
日時:2013年3月3日(日)13:30~18:00
場所:京都大学稲盛財団記念館 3F 大会議室
(http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/ jp/about/access.html#center)
13:30~14:30
山岸俊男(玉川大学)「社会秩序と文化: 社会的ニッチ構築アプローチ」
人間は社会的適応環境(=安定したインセンティブ構造= 他者からの予測可能な反応パターン)への適応行動を通して、 その環境自体を集合的に生み出し維持している。 このプロセスを社会的ニッチ構築と呼ぶ。 間接互恵説から導き出される社会秩序のありかたを集団主義的秩序 として、 また司法制度の確立により生みだされる社会秩序のあり方を個人主 義的秩序として理解し、 それぞれの秩序原理の下での適応行動の性質と、 そうした適応行動を促進する心理機序の性質として心の文化差を分 析する。
14:30~15:30
Steven J. Heine (University of British Columbia) "Positive Self-Views,
East and West"
A core psychological motivation for people is to view themselves
positively, yet for decades the vast majority of evidence for this
motivation came from North American samples. More recent research
finds that this motivation varies importantly across cultures, because
there are different kinds of positive views that are prioritized in
different cultures. Positive self-views are primarily made manifest in
North America through a desire to maintain high self-esteem - that is,
a desire to have a positive evaluation of themselves. In contrast, the
kind of positive self-view that is prioritized in several East Asian
cultures is a strong desire to maintain face - that is, a desire to
have others in one’s social network judge that the individual is
functioning adequately in their position within that network.
These two distinct kinds of positive self-views are associated with
highly divergent psychological processes. In their efforts to maintain
high self-esteem, North Americans demonstrate stronger tendencies for
self-enhancement, they show more of a promotion focus, maintain a
largely internal frame of awareness, and have more entity theories of
abilities. In contrast, in their efforts to maintain face, East Asians
show stronger tendencies for self-improvement, demonstrate more of a
prevention focus, maintain a largely external frame of awareness, and
have more incremental theories of abilities. Evidence for cultural
variation in each of these processes will be discussed, alongside
discussions of alternative explanations.
15:45~16:15
石井敬子(神戸大学)「文化的価値の維持と個人の選好」
文化的産物に注目した一連の研究結果は、当該の社会・ 文化における価値が反映されたものを産出し選好することで、 人々がその価値観の維持に積極的にかかわっている可能性を示唆し ている。本発表では、 自文化の価値が反映された産物を大人のみならず子どもも生み出す こと、 そして人々は自文化の成員によるその文化的な価値が反映された産 物を好み、 しかもそれは子どもの産物に対する親の好みでも見られること等の 最近の知見を紹介する。
16:15~16:45
内田由紀子(京都大学)「グローバル化する日本における幸福」
日本は伝統的な文化的価値観として関係志向性があり、 幸福感も対人関係から得られる部分が大きいことが知られている。 一方でこの数十年のグローバリゼーションにおいて、 様々な面で個人主義を促進する制度が導入されてきた。 このような状況において人の幸福感のあり方は変化したのかどうか 。いくつかの実証研究をもとに概説する。
17:00~17:30
指定討論:北山忍(ミシガン大学)、大石繁宏(バージニア大学)
17:30~18:00
総合討論
問い合わせ先:
石井敬子(神戸大学) E-mail: ishii@lit.kobe-u.ac.jp
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皆様、
来る3月3日(日)に、科学研究費特定領域「実験社会科学」文化班、京都大学こころの未来研究センターの共催で、シンポジウム「社会行動の文化・制度的基盤」を開催します。詳細な内容につきましては、以下の通りです。参加申し込みは不要です。皆様のご参加を心からお待ちしています。
日時:2013年3月3日(日)13:30~18:00
場所:京都大学稲盛財団記念館 3F 大会議室
(http://kokoro.kyoto-u.ac.jp/
13:30~14:30
山岸俊男(玉川大学)「社会秩序と文化:
人間は社会的適応環境(=安定したインセンティブ構造=
14:30~15:30
Steven J. Heine (University of British Columbia) "Positive Self-Views,
East and West"
A core psychological motivation for people is to view themselves
positively, yet for decades the vast majority of evidence for this
motivation came from North American samples. More recent research
finds that this motivation varies importantly across cultures, because
there are different kinds of positive views that are prioritized in
different cultures. Positive self-views are primarily made manifest in
North America through a desire to maintain high self-esteem - that is,
a desire to have a positive evaluation of themselves. In contrast, the
kind of positive self-view that is prioritized in several East Asian
cultures is a strong desire to maintain face - that is, a desire to
have others in one’s social network judge that the individual is
functioning adequately in their position within that network.
These two distinct kinds of positive self-views are associated with
highly divergent psychological processes. In their efforts to maintain
high self-esteem, North Americans demonstrate stronger tendencies for
self-enhancement, they show more of a promotion focus, maintain a
largely internal frame of awareness, and have more entity theories of
abilities. In contrast, in their efforts to maintain face, East Asians
show stronger tendencies for self-improvement, demonstrate more of a
prevention focus, maintain a largely external frame of awareness, and
have more incremental theories of abilities. Evidence for cultural
variation in each of these processes will be discussed, alongside
discussions of alternative explanations.
15:45~16:15
石井敬子(神戸大学)「文化的価値の維持と個人の選好」
文化的産物に注目した一連の研究結果は、当該の社会・
16:15~16:45
内田由紀子(京都大学)「グローバル化する日本における幸福」
日本は伝統的な文化的価値観として関係志向性があり、
17:00~17:30
指定討論:北山忍(ミシガン大学)、大石繁宏(バージニア大学)
17:30~18:00
総合討論
問い合わせ先:
石井敬子(神戸大学) E-mail: ishii@lit.kobe-u.ac.jp
2012年9月24日月曜日
2012年9月21日金曜日
再び山元町へ行く
7月下旬にICP (International Congress of Psychology) でケープタウンに行き、へとへとになって戻ってきた後、勤務先&実家の雑事に次から次へと巻き込まれていたら、ものの見事8月は去っていき、9月になってしまった。このままぼーっとしていたら、10月になって学期が始まり忙殺されるのは目に見えているので、日本心理学会の大会と入試関連の業務の間の空白を狙って、バスツアーに参加し、再び山元町に行ってきた。今回は、畑の整備をした。前回、側溝の泥かきをしたときに近くで目にした建物のそばだったので、見慣れた景色だった。ただし前回は2月で、前日に大雪が降ったため一面銀世界だったが、今回その更地には草が生い茂っていたので、その点は大きく異なる。とはいえ、かろうじて残った家がぽつぽつとあるだけで、相変わらず更地のままであることがどうもつらい。ここが以前どのような景色であったか全く知らない私にできるのは、貧困な想像力から典型的な田園風景を思い出し、それを当てはめることぐらいで、とはいえきっとその風景とは異なる風景だったんだろうなあと思うと、思考がそこで止まってしまうので、つらいとしか言い様がなくなってしまう。元々そこに住んでいた人たちはこの風景をどういう気持ちで眺めるのか、これまた貧困な想像力を働かせても、やはりつらいとしか言い様がない。外の人間の単なる感傷かもしれないが、つらいという言葉以外にどう表現していいかわからない点に、復興とは一体何なのか、考えさせられる。
2012年9月3日月曜日
日本心理学会第76回大会でのワークショップ
今年の日本心理学会第76回大会(専修大学)で、以下のワークショップを企画しています。もしよろしかったら、ぜひご参加ください。
9 月11日(火) 15:30~17:30
WS035 幸福感研究の多面性-社会構造、対人的側面、神経基盤-
企画者:石井 敬子 (神戸大学)
企画者:内田由紀子 (京都大学)
司会者:内田由紀子 (京都大学)
話題提供者:大石 繁宏# (ヴァージニア大学)
話題提供者:内田由紀子 (京都大学)
話題提供者:松永 昌宏 (生理学研究所)
指定討論者:大平 英樹 (名古屋大学)
指定討論者:石井 敬子 (神戸大学)
企画趣旨
かつてある小説家は、「何が幸福をもたらすのかを探し求めたら、決して幸せになれない」と述べた。にもかかわらず、幸福とは何か、幸福はどこからくるのか、誰が幸福なのかといった問いは、時代や文化を超え、普遍的に存在し続けている。こうした問いに答えることを目的とした幸福に関する実証研究はこの数十年の間に急速に進み、その結果、幸福感に寄与する個人内の要因や対人関係の有り方、社会経済的地位や収入およびそれらの格差との関連について深い理解が得られてきている。また、近年ではGDPに代わる社会的成長の指標として注目を集めており、幸福は個人のみならず社会の目標といっても過言ではない。本ワークショップでは、幸福に関する研究の多面性に焦点を当てる。社会構造、対人的側面、個人の神経基盤に注目した話題提供とそれらに対する指定討論を通じ、社会科学の諸分野や神経科学における今後の幸福感研究の可能性について議論したい。
9 月11日(火) 15:30~17:30
WS035 幸福感研究の多面性-社会構造、対人的側面、神経基盤-
企画者:石井 敬子 (神戸大学)
企画者:内田由紀子 (京都大学)
司会者:内田由紀子 (京都大学)
話題提供者:大石 繁宏# (ヴァージニア大学)
話題提供者:内田由紀子 (京都大学)
話題提供者:松永 昌宏 (生理学研究所)
指定討論者:大平 英樹 (名古屋大学)
指定討論者:石井 敬子 (神戸大学)
企画趣旨
かつてある小説家は、「何が幸福をもたらすのかを探し求めたら、決して幸せになれない」と述べた。にもかかわらず、幸福とは何か、幸福はどこからくるのか、誰が幸福なのかといった問いは、時代や文化を超え、普遍的に存在し続けている。こうした問いに答えることを目的とした幸福に関する実証研究はこの数十年の間に急速に進み、その結果、幸福感に寄与する個人内の要因や対人関係の有り方、社会経済的地位や収入およびそれらの格差との関連について深い理解が得られてきている。また、近年ではGDPに代わる社会的成長の指標として注目を集めており、幸福は個人のみならず社会の目標といっても過言ではない。本ワークショップでは、幸福に関する研究の多面性に焦点を当てる。社会構造、対人的側面、個人の神経基盤に注目した話題提供とそれらに対する指定討論を通じ、社会科学の諸分野や神経科学における今後の幸福感研究の可能性について議論したい。
2012年6月1日金曜日
大学院オープンキャンパス
7月11日(水)午後3時から、神戸大学大学院人文学研究科のオープンキャンパスが開催されます。詳細は、こちらをご覧ください。
少しでも比較文化研究に関心があり、大学院でもう少し学びたいという方、ぜひ一緒に研究をしましょう!
2012年4月14日土曜日
2012年4月13日金曜日
2012年3月20日火曜日
10年
「あれから40年」といえば、綾小路きみまろの十八番。もしも40年後に私が生きていて、何かの調子に「大地震に大津波で福島の原発がやられ、放射能が飛び散りました。あれから40年!」とその調子にのせたフレーズを言うことができたら、若くてかわいい母ちゃんが皺皺婆さんになってしまいました的なオチで笑えることのできる世の中であってほしい。とはいってもそんな世の中、全く想像ができないけど。
40年はおろか、10年だって何も想像はできやしない。これから10年先の研究パラダイムの見通しはつかないし、そもそも10年前に、例えば私の分野であれば、Cultural Neuroscienceなんて言葉が出てくることは誰も想像していなかったに違いない。ちょうど10年前に、私は初めて職を得て北海道に行き、その半年後に21COEプログラムが始まったのだけど、それから月日が経ち、その後続のグローバルCOEの総括シンポジウムとやらで、こんなに社会心理が脳科学と接近してしまうなんて、誰が想像していたのだろう。元指導教官、北大の2人の上司といった日本人の社会心理学者の(個人的な)ビック3が、こぞって脳科学に手を染めるなんてことをもしも10年前の私が知っていたら、おそらくその時点で研究の方向性をがらっと変えていたのではないかと思う。
ただ幸か不幸か、楽しくもあり、恐ろしくもあるが、ともかくこの先の10年がどうなっているのかは誰にもわからない。有難いことにその点に関しては、誰もが平等である。研究者として、自分を信じて、やりたいことに向けて邁進するしかない。その過程でどういった人と出会い、どういったチャンスがあるのかわからない。せいぜいできるのは、過去のさまざまな経験を振り返り、そこでの学習をもとにしていくことぐらいかもしれない。この10年間を振り返ったときに、どんなことを私は学んだのか。いろいろな感情に押し流され、学び損ねたこともたくさんあることに気づかされる。とはいえ、出会いもチャンスも平等に巡ってくるというのは建て前で、その巡り合わせが個人の努力だけでは如何ともならないことを経験的に知り、その結果として、目の前の大海に飛び込んで、我流のクロールで実に効率もフォームも悪いながらも何とか泳ぐことができているというのは、10年間の学びの結果だと思う。さて次の10年、我流のクロールでどこまで進むことができるのだろう。もしかしたら効率やフォームが改善されるかもしれないし、もしかしたら力尽きて果てるかもしれない。繰り返しになるがそんなのは誰にもわからない。楽しくもあり、恐ろしくもある。
40年はおろか、10年だって何も想像はできやしない。これから10年先の研究パラダイムの見通しはつかないし、そもそも10年前に、例えば私の分野であれば、Cultural Neuroscienceなんて言葉が出てくることは誰も想像していなかったに違いない。ちょうど10年前に、私は初めて職を得て北海道に行き、その半年後に21COEプログラムが始まったのだけど、それから月日が経ち、その後続のグローバルCOEの総括シンポジウムとやらで、こんなに社会心理が脳科学と接近してしまうなんて、誰が想像していたのだろう。元指導教官、北大の2人の上司といった日本人の社会心理学者の(個人的な)ビック3が、こぞって脳科学に手を染めるなんてことをもしも10年前の私が知っていたら、おそらくその時点で研究の方向性をがらっと変えていたのではないかと思う。
ただ幸か不幸か、楽しくもあり、恐ろしくもあるが、ともかくこの先の10年がどうなっているのかは誰にもわからない。有難いことにその点に関しては、誰もが平等である。研究者として、自分を信じて、やりたいことに向けて邁進するしかない。その過程でどういった人と出会い、どういったチャンスがあるのかわからない。せいぜいできるのは、過去のさまざまな経験を振り返り、そこでの学習をもとにしていくことぐらいかもしれない。この10年間を振り返ったときに、どんなことを私は学んだのか。いろいろな感情に押し流され、学び損ねたこともたくさんあることに気づかされる。とはいえ、出会いもチャンスも平等に巡ってくるというのは建て前で、その巡り合わせが個人の努力だけでは如何ともならないことを経験的に知り、その結果として、目の前の大海に飛び込んで、我流のクロールで実に効率もフォームも悪いながらも何とか泳ぐことができているというのは、10年間の学びの結果だと思う。さて次の10年、我流のクロールでどこまで進むことができるのだろう。もしかしたら効率やフォームが改善されるかもしれないし、もしかしたら力尽きて果てるかもしれない。繰り返しになるがそんなのは誰にもわからない。楽しくもあり、恐ろしくもある。
2012年2月29日水曜日
第5回日本感情心理学会セミナー
第5回日本感情心理学会セミナーでトークをする予定です。詳細な案内は以下の通りです。ぜひご参加下さい。
■テーマ:「日本人と心理療法-感情をとりまく遺伝子・脳・身体・文化-」
■日時:2012年4月7日(土)、13:30~16:30
■会場:同志社大学新町キャンパス臨光館207教室
■講師・タイトル(敬称略):
企画・司会:佐藤健二(徳島大学)
話題提供者:
石井敬子(神戸大学)「感情の認識における遺伝子と文化環境の相互作用」
村上裕樹(ニューヨーク州立大学ストーニー・ブルック校・日本学術振興会)
「感情制御の生理学的メカニズムと遺伝子多型による影響」
大澤智子(兵庫県こころのケアセンター)「「こころのケア」再考-これからのこころのケアについて考える」
指定討論者:大平英樹(名古屋大学) 金築 優(帝京平成大学)
■費用:会員(一般):1000円, 会員(大学院生):無料, 非会員:1000円
■関連情報は日本感情心理学会HPに掲載します。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsre/index.html
■テーマ:「日本人と心理療法-感情をとりまく遺伝子・脳・身体・文化-」
■日時:2012年4月7日(土)、13:30~16:30
■会場:同志社大学新町キャンパス臨光館207教室
■講師・タイトル(敬称略):
企画・司会:佐藤健二(徳島大学)
話題提供者:
石井敬子(神戸大学)「感情の認識における遺伝子と文化環境の相互作用」
村上裕樹(ニューヨーク州立大学ストーニー・ブルック校・日本学術振興会)
「感情制御の生理学的メカニズムと遺伝子多型による影響」
大澤智子(兵庫県こころのケアセンター)「「こころのケア」再考-これからのこころのケアについて考える」
指定討論者:大平英樹(名古屋大学) 金築 優(帝京平成大学)
■費用:会員(一般):1000円, 会員(大学院生):無料, 非会員:1000円
■関連情報は日本感情心理学会HPに掲載します。
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsre/index.html
2012年2月27日月曜日
山元町へ行く
採点、院入試、口述試験が終わり、時間に余裕ができたので、先週末の前期試験の試験監督を終えたその足で仙台に向かい、山元町で側溝の泥出しのお手伝いをしてきた。昨年の夏まで立ち入りが制限されていたせいで復興が遅れているのに加え、約1年経ち、一度この土地を離れたものの再び戻り、ここでの生活を望んでいる人たちがそれなりにいるため、ボランティアの手伝いがまだまだ必要とのことだった。
各人が自分のもっているリソースと相談し、余裕のあるときにそれを差し出していくしか、残念ながら道は開けない。非力な自分につい嘆きなくもなるが、たとえ単なる自己満足であろうとも、嘆く前にまず行動しなければ何も始まらない。
ほぼ日刊イトイ新聞「山元町と手をつなぐ。」
各人が自分のもっているリソースと相談し、余裕のあるときにそれを差し出していくしか、残念ながら道は開けない。非力な自分につい嘆きなくもなるが、たとえ単なる自己満足であろうとも、嘆く前にまず行動しなければ何も始まらない。
ほぼ日刊イトイ新聞「山元町と手をつなぐ。」
2012年1月17日火曜日
卒論など
新年もあっという間に半月が過ぎてしまいました。その間に、卒論の〆切があり、私の指導学生4名が無事に提出しました。タイトルは以下の通りです。
・モノのカテゴリー化における言語相対性仮説の検討
・発達と感情理解の仕方の比較文化研究
・change blindness課題遂行中の眼球運動研究~注意の向け方に文化差は存在するのか~
・発達段階における文化的価値についての比較研究
昨年の12月には岐阜聖徳大学で、そして先週は関西学院大学で、最近行っている研究を紹介する機会に恵まれました。関係者の皆様、どうもありがとうございました。有意義なご意見をいただくことができ、本当によかったです。関西学院大学でのトークについては、このページで概要を見ることができるようになっています。
今年も何卒よろしくお願いします。これまで同様、貪欲かつ地道にやっていこうと思います。
・モノのカテゴリー化における言語相対性仮説の検討
・発達と感情理解の仕方の比較文化研究
・change blindness課題遂行中の眼球運動研究~注意の向け方に文化差は存在するのか~
・発達段階における文化的価値についての比較研究
昨年の12月には岐阜聖徳大学で、そして先週は関西学院大学で、最近行っている研究を紹介する機会に恵まれました。関係者の皆様、どうもありがとうございました。有意義なご意見をいただくことができ、本当によかったです。関西学院大学でのトークについては、このページで概要を見ることができるようになっています。
今年も何卒よろしくお願いします。これまで同様、貪欲かつ地道にやっていこうと思います。
2011年12月18日日曜日
今期の心理学特殊講義
学部生向けの「心理学特殊講義」で、今期は文化心理学を教えています。個人的な趣味で、認知・感情のボリュームが多いですが、以下のページからレジュメや学生の一部のコメントに対する私のレスを見ることができます。この内容を通じて、もう少し文化の研究に興味を持ってくれる人が増えてくれればいいなあと思うのですが、いろいろ力不足なので、なかなかうまくいきませんね。
「心理学特殊講義」(月2)
「心理学特殊講義」(月2)
2011年10月13日木曜日
2011年10月11日火曜日
Steve Jobsの死
Steve Jobsが死んだ。大学生になって初めて買ったコンピュータはMacintoshで、それなくしては実験も分析もできない状態が続いたことを懐かしく思い出す。今でこそAppleとの接点はiPhoneぐらいしかないけど、それでもそのiPhoneは実験参加者との待ち合わせで活躍している(もっと活躍の場はあるはずなのに、残念ながら使いこなせていない)。Think differentというフレーズは、文法なんてくそくらえって感じで、昔からとても気に入っている。そんなこんなで、Steve Jobsの死にはそれなりに驚いたし、がっかりもしたが、しかしニュースで見た銀座のアップルストアの映像や街の人へのインタビューにやや興ざめしてしまったのも事実である。そんな中、以下の「Steve Jobsの思い出」というブログを読んだのだけど、この内容は実に興味深い。一気にJobsへの親近感がわいた。彼のスピーチをもじれば、Stay crazyといった感じか。
まつひろのガレージライフ「Steve Jobsの思い出」
追記。大隅先生のこのブログで書かれていることも実にいい。
大隅典子の仙台通信「Stay foolish, stay stupid 」
まつひろのガレージライフ「Steve Jobsの思い出」
追記。大隅先生のこのブログで書かれていることも実にいい。
大隅典子の仙台通信「Stay foolish, stay stupid 」
2011年8月25日木曜日
発表予定
以下の学会で発表します。
・日本感情心理学会第19回・日本パーソナリティ心理学会第20回合同大会(京都光華女子大学)
大会準備委員会企画シンポジウム「日本人と心理療法―感情をとりまく遺伝子・脳・身体・文化―」(話題提供)
・日本心理学会第75回大会(日本大学)
ワークショップ「多感覚コミュニケーション機能の発達と文化・言語による特殊化」(話題提供)
ワークショップ「文化比較で知りたいこと・わかること―認知心理学研究における比較文化アプローチの役割―」(指定討論)
これに加えて、筑波大学(8/30-31)と広島修道大学(9/5-8)で集中講義があります。関係者の皆様、何卒よろしくお願いいたします。
・日本感情心理学会第19回・日本パーソナリティ心理学会第20回合同大会(京都光華女子大学)
大会準備委員会企画シンポジウム「日本人と心理療法―感情をとりまく遺伝子・脳・身体・文化―」(話題提供)
・日本心理学会第75回大会(日本大学)
ワークショップ「多感覚コミュニケーション機能の発達と文化・言語による特殊化」(話題提供)
ワークショップ「文化比較で知りたいこと・わかること―認知心理学研究における比較文化アプローチの役割―」(指定討論)
これに加えて、筑波大学(8/30-31)と広島修道大学(9/5-8)で集中講義があります。関係者の皆様、何卒よろしくお願いいたします。
2011年8月22日月曜日
彷徨う
先週末、陸前高田に行って、草取りと瓦礫の撤去をしてきた。もちろん私のやったことなんて小指の爪の垢にも満たないことだし、たかだがある地域にほんの一瞬足をおいたところで何もわかりはしないのだが、それでも何もしないよりはわずかでも行って見て感じたことに意義はあったと思う。本音を言えば、時間と体力が許す限り、何度か足を運びたい。そして、遠方なので行くのにお金がかかるというのがネックとはいえ、どう考えても忙しいというのは幻想にすぎない大学生こそ足を運んでくれたらと思う。そのお金で経験を買うという動機で十分だと思う。そういったことに従事することは、上辺では「援助する」立場なのだが、実際そこで得られる経験によっていろいろなことを学ぶことは、結果的に自ら「援助される」ことになる。自分が大学生や院生だったときのことを思い出しても、その点は自信を持って言える。
自分が人生をかけて知りたいことが、結果的に世の中の人々の助けになれば、それほどの幸せはないと思う。その点に究極の幸福を求めるのであれば、残念なことに私は決して幸福になれない。そもそも自分が人生をかけて知りたいことを追究できるような職についていることはどう考えても幸せに値するし、私自身もそれに異論はない。ただそれでも心の片隅で世の中の役に立たないことへの一種の虚しさを感じるときがあるのも事実である。今では、年をとって、自分をごまかし、正当化するという一種の対処法を身に着けたものの、学生だったときはいわばその2つの間でいろいろ彷徨い、世の中でいうところのボランティアの末端として現場で身を投じるしか、自分の中でバランスをとることができなかったのを思い出す。
今から思えば、もう少しその時間に勉強をしておけば、多少はまともな英文も書けるようになったに違いないし、この論理性のなさもやや改善されたはずだし、世の中の助けといっても、それは私が定義するものではなく、相手が評価することであって、どうにもならないのだが、それでもそうやって彷徨ったことで、無知な自分が得る何かがあったと信じたい。そして自分の職務を踏まえれば、週末に論文の1ページでも書き進めるか、学会発表のパワポの準備をすべきところを、懲りもせず未だについつい彷徨ってしまうのも、おそらくそういった何かを信じたいからなんだと思う。
蛇足だが、言葉に言葉を重ねれば重ねるほど、セルフ・ハンディキャッピングとしか人は思わないだろうなと思ってしまうこの感覚は一体何なんだろうか。それだけ満足な仕事ができていないことに対する自らへの欲求不満が溜まっている証拠だ。もうやめよう。
(蛇足の蛇足。ふと「フィールドワークへの挑戦―“実践”人類学入門」という本を思い出した。当時、私は自らのこの彷徨いをしたためて、文化人類学のレポートとして提出したことがある。そしてそれから約10年後、北大の別の学部の某先生から、ぜひこの本での経験について話してほしいと言われて、えらくびっくりした。そんな本の一部として紹介されているとは全く知らなかったからだ。そしてその経験について話してみたものの、論理的思考の訓練をうけているはずの研究者でありながら、単なる素人の経験談の域を得ない自分に恥じた。一時期、文化人類学の研究者に憧れたことがあるが、ほとほとそのセンスがないことを実感したのだった。)
自分が人生をかけて知りたいことが、結果的に世の中の人々の助けになれば、それほどの幸せはないと思う。その点に究極の幸福を求めるのであれば、残念なことに私は決して幸福になれない。そもそも自分が人生をかけて知りたいことを追究できるような職についていることはどう考えても幸せに値するし、私自身もそれに異論はない。ただそれでも心の片隅で世の中の役に立たないことへの一種の虚しさを感じるときがあるのも事実である。今では、年をとって、自分をごまかし、正当化するという一種の対処法を身に着けたものの、学生だったときはいわばその2つの間でいろいろ彷徨い、世の中でいうところのボランティアの末端として現場で身を投じるしか、自分の中でバランスをとることができなかったのを思い出す。
今から思えば、もう少しその時間に勉強をしておけば、多少はまともな英文も書けるようになったに違いないし、この論理性のなさもやや改善されたはずだし、世の中の助けといっても、それは私が定義するものではなく、相手が評価することであって、どうにもならないのだが、それでもそうやって彷徨ったことで、無知な自分が得る何かがあったと信じたい。そして自分の職務を踏まえれば、週末に論文の1ページでも書き進めるか、学会発表のパワポの準備をすべきところを、懲りもせず未だについつい彷徨ってしまうのも、おそらくそういった何かを信じたいからなんだと思う。
蛇足だが、言葉に言葉を重ねれば重ねるほど、セルフ・ハンディキャッピングとしか人は思わないだろうなと思ってしまうこの感覚は一体何なんだろうか。それだけ満足な仕事ができていないことに対する自らへの欲求不満が溜まっている証拠だ。もうやめよう。
(蛇足の蛇足。ふと「フィールドワークへの挑戦―“実践”人類学入門」という本を思い出した。当時、私は自らのこの彷徨いをしたためて、文化人類学のレポートとして提出したことがある。そしてそれから約10年後、北大の別の学部の某先生から、ぜひこの本での経験について話してほしいと言われて、えらくびっくりした。そんな本の一部として紹介されているとは全く知らなかったからだ。そしてその経験について話してみたものの、論理的思考の訓練をうけているはずの研究者でありながら、単なる素人の経験談の域を得ない自分に恥じた。一時期、文化人類学の研究者に憧れたことがあるが、ほとほとそのセンスがないことを実感したのだった。)
2011年8月11日木曜日
公開講座
今年度の神戸大学文学部の公開講座で1回トークします。ちょっと自分の研究と離れたネタなので、やや不安ではありますが・・・。
平成23年度神戸大学文学部公開講座「日本社会と大災害-古代・中世から3.11大震災まで」
平成23年度神戸大学文学部公開講座「日本社会と大災害-古代・中世から3.11大震災まで」
2011年8月10日水曜日
長崎
科学技術に絶対はない。だからこそそのリスクを最小限にするような防御策をとらなければならない。想定外という言葉は言い訳である。そうした言い訳がまかり通るとしたら、それは核の災禍を受けた国であるにもかかわらず、それを完璧に平和利用できると慢心してきたからではないだろうか。さらには、核の災禍を受けた国で生活しようとも、この時期に放映されるドキュメンタリーやドラマは単なるテレビ局のルーチンワークで、結局のところどんな災禍があったかなんて、耳から耳に通り抜けていたからではないだろうか。
東日本大震災以後、原発についてつらつら考えることがあったが、ある時ふと広島と長崎の原爆についてよく知らないことに気づき、猛烈に自分を恥じた。そしてようやく諸々のことが一段落したので、生まれて初めて長崎に行き、原爆資料館に足を運んだ。精神の高ぶりのため、その晩はとても眠りが浅かった。それだけショックだったということだ。
2011年8月3日水曜日
ISRE&AASP
7月末に2つの学会に参加し、発表をしてきました。

まずは、京都ガーデンパレスで開催されたISRE (International Society for Research on Emotion)。後述のAASPと重なってしまった上に、前週の台風に伴う暴風警報で授業が飛んでしまった分を片付けざるをえなく、自分が発表したセッション以外、研究発表をほとんど聴くことができませんでした。それでも阪大の石黒先生のアンドロイドの話を初めて生で聴くことができ、しかも実際に遠隔操作されたアンドロイドとインタラクションできる機会に恵まれ、これはとてもよかったです。ただ、石黒先生の話は、最後、人間としてのミニマムデザインをもったアンドロイドの話になり、これをいとおしそうに抱えたお年寄りの姿が映し出されたのですが、ちょっとこれは皮肉めいたエンディングのようにも思えました。人間としての容姿が大切であるという前提で話を進め、いかに不気味の谷を超えるかという点も含め、人間の体の動きや顔の動かし方の自然さを追求しているにもかかわらず、結局のところ対称性を確保したシンプルなデザインに行きつくというのは、もちろんそれ自体成果の1つですが、ただ、じゃあそれまでの話における執拗なまでの人間らしさの追求とは一体何だったのかという問いがつい浮かんでしまいます。

次は中国・昆明で開催されたAASP (Asian Association of Social Psychology)。実はこの学会に参加するのはかれこれ10年以上ぶりです。今回、The Michael Harris Bond Awardというのを頂くことになりまして、Invited Addressの一部として、昔やったStroopの話から最近の笑顔の消失の話まで、これまでの研究の一部を話す機会に恵まれました。行きの昆明空港からのタクシーでコンタクトレンズをなくすというハプニングもありましたが、アジア人として文化心理学を牽引している、Yingyi Hong、Kaiping Peng、Eunkook Suhらの話を聴くことができ、知人の研究をキャッチアップできたのはよかったです。特にYingyiやCY Chiuらの学生は、香港やシンガポールをバックグランドにしていることもあり、英語ができるので、感心した半面、正直なところ日本の研究者もどんどん発信していかないと、本当勝ち目ないなあという危惧も感じました。無論自戒を込めてですが、たとえ「たかが」と思っても、そこで存在感を示さない限り、どこからも相手にされないんじゃないでしょうかね。

まずは、京都ガーデンパレスで開催されたISRE (International Society for Research on Emotion)。後述のAASPと重なってしまった上に、前週の台風に伴う暴風警報で授業が飛んでしまった分を片付けざるをえなく、自分が発表したセッション以外、研究発表をほとんど聴くことができませんでした。それでも阪大の石黒先生のアンドロイドの話を初めて生で聴くことができ、しかも実際に遠隔操作されたアンドロイドとインタラクションできる機会に恵まれ、これはとてもよかったです。ただ、石黒先生の話は、最後、人間としてのミニマムデザインをもったアンドロイドの話になり、これをいとおしそうに抱えたお年寄りの姿が映し出されたのですが、ちょっとこれは皮肉めいたエンディングのようにも思えました。人間としての容姿が大切であるという前提で話を進め、いかに不気味の谷を超えるかという点も含め、人間の体の動きや顔の動かし方の自然さを追求しているにもかかわらず、結局のところ対称性を確保したシンプルなデザインに行きつくというのは、もちろんそれ自体成果の1つですが、ただ、じゃあそれまでの話における執拗なまでの人間らしさの追求とは一体何だったのかという問いがつい浮かんでしまいます。

次は中国・昆明で開催されたAASP (Asian Association of Social Psychology)。実はこの学会に参加するのはかれこれ10年以上ぶりです。今回、The Michael Harris Bond Awardというのを頂くことになりまして、Invited Addressの一部として、昔やったStroopの話から最近の笑顔の消失の話まで、これまでの研究の一部を話す機会に恵まれました。行きの昆明空港からのタクシーでコンタクトレンズをなくすというハプニングもありましたが、アジア人として文化心理学を牽引している、Yingyi Hong、Kaiping Peng、Eunkook Suhらの話を聴くことができ、知人の研究をキャッチアップできたのはよかったです。特にYingyiやCY Chiuらの学生は、香港やシンガポールをバックグランドにしていることもあり、英語ができるので、感心した半面、正直なところ日本の研究者もどんどん発信していかないと、本当勝ち目ないなあという危惧も感じました。無論自戒を込めてですが、たとえ「たかが」と思っても、そこで存在感を示さない限り、どこからも相手にされないんじゃないでしょうかね。
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